バトル漫画大賞
(賞金300万円+連載確約)

タイトル:『西方記』
ペンネーム:天壇


【編集部寸評】

圧倒的な画力、演出力、そしてキャラクター造形力に惹き込まれました。
どのページにも読者を楽しませる工夫が凝らされており、特にアクションシーンの大胆なカメラワークと構図の使い方は一線級です。
そうした高い地力をもとに、キャラクター同士の思惑が交差するドラマの面白さをもっと明確に打ち出せられれば、惹きつけた読者を離さない、強い作品になるでしょう。





銀賞バトル審査員賞×2
(賞金30万円+副賞30万円×2)

タイトル:『全装備呪われてるけど、自分、一応勇者です。』
ペンネーム:小林 鮎
【編集部寸評】

導入から「これは面白そう」と思わせる構成になっており、迫力のアクションシーンを見せつつ、要所でクスリと笑えるシーンを挟むなど、終始明るい読み口で楽しく読むことができました。
作品の設定上、主人公が常時兜を着けており表情が見られない点は惜しかったです。
また設定が細部まで作り込まれている一方、キャラクターの作り込み・深堀りが甘いと感じたため、この点を意識することでより読者を引き込める作品となるのではないかと考えます。


バトル審査員 【中尾拓矢先生 寸評】
(『黒影のジャンク』作者)

話のテンポや画面構成、キャラクターデザインなどどれも非常に高いレベルにあるなと感じました!呪いという負の要素を、キャラクターの説明や戦闘に上手く活かしている点も巧みでした。好感度の高いキャラを書くのが得意な作家さんだと思いますので、今後もそれを武器に作品作りしていってもらいたいです!


バトル審査員【丸山恭右先生 寸評】
(『TSUYOSHI 誰も勝てない、アイツには』作者)

まずネームにも関わらず、冒頭から画力の高さと仕事の丁寧さがずば抜けていることに目を惹かれました。
絵だけではなく、字もめちゃくちゃ上手。(羨ましい)
1ページの文字量やコマ割りの読みやすさ、ストーリーの構成どれをとっても連載経験者じゃないんですか?と疑ってしまいました。
主人公のギミックを使って戦っていく様子が新しく、完璧ではない主人公の主人公らしさが笑え、無双してくれるから爽快感もあり、そして視点キャラヒロインの微エロもちゃんと押さえている。言うことないと思います。
作画がめちゃくちゃ大変そうな題材ですが、ぜひ原稿になったものを見てみたいと思いました。






バトル審査員賞
(副賞30万円)

タイトル:『皇帝を殺すセーター』
ペンネーム:十条ネギ

バトル審査員 【四方山貴史先生 寸評】
(『終の退魔師-エンダーガイスター-』作者)

まずタイトルのインパクトがすごい。冒険中に素材を現地調達する漫画は何個か思いつきますが、防具を戦闘中に作るアイデアと、作り出した防具のバカバカしい性能が大変良かったですね。
主人公二人も好感が持てる感じで、お互いの特性を理解し合って波長が合ってからの旅は楽しくてもっと読みたいという気持ちになりました。
このネタはおそらく絵がうまくなるほど面白みも増すと思うので、画力と構図の引き出しを増やすよう頑張ってほしいです。完成品披露の時のモデル立ちはたとえ長期連載になっても続けてほしいですね!





銅賞(計5本)
(各賞金10万円)


タイトル:『Queen of the underworld 北欧神話物語』
ペンネーム:ちこちこ
【編集部寸評】

ファンタジー世界の設定が緻密に構築され、世界観に引き込まれる作品でした。
加えて、主人公の感情が動くシーンでは印象的なセリフや絵をしっかりと使って、世界観から逃がさない工夫がなされているところもよかったです。絵やキャラクターデザインも迫力があり、とても印象に残りました。
欲を言えば、主人公の生い立ちや迫害の理由、時代背景などに対してより具体的なエピソードがあると、共感性のあるキャラクターとなるのではないかと考えます。


タイトル:『純情のリッパー』
ペンネーム:森野 昼
【編集部寸評】

映像的なカメラを持った漫画家、というのがこの世には稀に存在します。まるで映画のワンシーンのような構図、映像効果で漫画を描ける能力、それを森野さんは持ち合わせていると思いました。
基本的な静と動の魅せ方はもちろんのこと、広角や魚眼を使った演出やアングルの工夫などアクションシーンの引き出しにかなりのセンスを感じます。
他方、キャラの魅力についてはまだまだ詰めの甘さがあるので、男女問わず読者に受けるキャラクターとはなんなのかを考えていくと今後更なる発展が見込めるかと思います。


タイトル:『中2魔術書』
ペンネーム:やしろポーク
【編集部寸評】

独特なギャグセンスとそれにマッチした絵柄という非常に強い武器を持っています。
ギャグだけではなく、「中2病」という身近なワードからバトルものを展開する発想力も素晴らしいです。
どんな漫画なのか一瞬で理解できて読みやすかった反面、主人公が展開に流されているだけになっているのは残念でした。主人公の感情の起伏をもっと描けば、笑いでもバトルでもより読者の共感を得られると思います。


タイトル:『LOVE&PEACE♪』
ペンネーム:かぶと山

【編集部寸評】

かぶと山さんの武器は圧倒的画力と好きなものに対する探求心です。
受賞作の他にもう一作品ご応募くださっており、どちらもネームであるにもかかわらず、その画力の高さが光っていました。
特に外連味のある女性キャラクターのデザインは頭一つ抜けており、これだけでも授賞理由になりえるほどでした。
反面、クリーチャーデザインや男性キャラクターはどこかで見たようなデザインになってしまっておりました。
今後は細かなところまでその探求心を向けていただくことで、オリジナリティのある「かぶと山作品」が生まれるのではないかと思います。


タイトル:『ロストオーダーワールド』
ペンネーム:喜多正直
【編集部寸評】

異能力バトルを描きたい熱意が投稿作からヒシヒシと伝わってきました。
アクションシーンも、コマの構成とキャラクターの表情で見事に表現できています。
王道のストーリー構成もできているのですが、キャラクターがまだまだ作り込まれていないので物足りなさを感じました。
作者自身が思う「カッコイイ主人公」や「嫌な悪役」をもっと追求し落とし込めば、より魅力的な作品になると確信しています。