今回は厳正なる審査の結果、【銀賞1本、銅賞1本、奨励賞2本】合わせて計4本が受賞しました!!
 以下に栄えある受賞者を発表いたします!



★★銀賞★★
『灯ノ者語り』 五荅脱兎
【編集部講評】
 画力、ネームでの表現力、まとめて言えば漫画力の高さがビシビシと感じられました。「イタコ」「火起請(ひぎしょう)」「祟り神」など尖ったモチーフを重くしすぎず説明っぽくしすぎず、説得力と迫力を持って魅せることができるのは五荅さんの持つセンス、磨いてきたバランス感覚や表現力のなせる業だと思います。一方で、主人公やご先祖のキャラクター性が掴み切れなかった印象があり、それらをしっかり描きかつドラマに昇華できると、より芯の強い作品になると感じました。また、「イタコ」「憑依」といったコンセプトをもう少しバトルに落とし込んだり、ターゲットとなる読者の目を惹くキャッチーなシーンを作れていると、より多くの人を魅了できる作品になると思います。


★★銅賞★★
『地獄発、温泉経由、極楽行』 田村ヒロ


【編集部講評】
 魅力的なキャラクターと物語を描いていく地力を感じました。特に「湯護」という架空の職人の生き様や人情が丁寧に描かれていたことが好感で、テンポの良い話運びや画面構成などのネームが読みやすさも武器だと思いました。一方で、興味を惹く題材選びや、主人公の活躍と問題解決の因果形成、描線や仕上げなどの画面作りは課題かと思いました。連載では持ち前の構想力を活かしつつ、上記の課題を克服して、さらに魅力的な作品に仕上げていきましょう。


★奨励賞★
『渚の花束』 a.m.
【編集部講評】
 可愛らしい絵柄に毒の強い作風がギャップになっており、オリジナリティを感じました。女子同士のヒエラルキーという、多くの読者が経験したような共感も描けています。また、セリフではなく絵で物語を表現できていて見せ場の印象も強く残りました。もう一歩ストーリーや演出に踏み込み強いドラマ性が描けたら、より多くの読者を惹きつけられるかと思います。


★奨励賞★
『酒と蛇と悪魔と!』 まきいわ山

【編集部講評】
 可愛らしい絵柄と独特な世界観が魅力的な作品でした。また、キャラや表情の描き分けがしっかりしており、アクションシーンにも勢いを感じて良かったです。一方で、作品の味でもあるコメディパートが随所に入り乱れ、話の主軸が伝わりにくくなっていました。キャラの魅力を引き出すためにも、今後は「物語の緩急」を意識して構成しましょう



★★★総評★★★

 受賞された皆様、改めておめでとうございます! 今回は金賞以上の選出はありませんでしたが、「受賞まであと一歩!」という尖った魅力の快作・意欲作が多く、ポテンシャルは十分に感じられました。一方で、商業漫画の連載にあたっては、企画・キャラ・画力・構成・演出などの技術的な「総合力」が求められます。今回受賞に至らなかった皆様も、次回は商業連載を意識しながら、さらに総合力を磨いて再チャレンジしてみてください!
 次回の漫画賞でも皆様の新作を心よりお待ちしております!