漫画部門 準大賞
『幸運くんと不幸ちゃん』
吉田雄太(30)
- 【あらすじ】
日本一、運が良い高校生・鈴木太郎。彼は生まれてからやることなすこと全てがうまくいく人生を送って来た。
しかしある時、目の前に天使が現れ、この世のバランスを取るために、日本一不幸な女子高生と結婚しろと言い出し――!?
- 【寸評】
粗削りだけれども、漫画の才能を感じた作品。
キャラクターの立て方が上手く、シンプルに感情面が伝わる構成は魅力的だった。
ただ、主人公の想いが変化した箇所があまり描かれておらず、予定調和な部分がありもったいないのが残念。
作画については人物のデッサン力、描線の丁寧さが必要と感じた。
キャラクターの特徴を描くのが上手いので、それを生かしながら読者がより共感を持てるような次回作を期待したい。
原作部門 準大賞
『陰キャくん』
高成利季(27)
- 【あらすじ】
個性が無くて良くも悪くもフツキャ(普通のキャラ)の種沢ハルは、「何かを気にして何も出来ない自分」の真逆の存在、「何を考えてるか分からない」陰キャ(陰気なキャラ)の倉狩灯の正体に気が付いて―――。
- 【賞金】
・賞金100万円
・連載確約または読み切り掲載
- 【寸評】
ネームとしての完成度は非常に高い。
展開、テンポ共に良く、キャラクターの描き方にも好感が持てるような構成になっている。
内容的に連載も十分期待できる作りになっていた。
ただ、題材である「陰キャ」の部分を掘り下げて読ませられることが出来ればさらに良くなっただろう。
また、関係性の変化が唐突に感じたため、憧れを持つに至ったところを丁寧に描いてほしかった。
漫画部門 奨励賞
『Critical escape』
うにちり(27)
- 【あらすじ】
目を覚ましたら部屋に一人の少女、そして自分の下から姿を消した愚息。少女と愚息の関係は!?
- 【寸評】
勢いとほとばしる熱量を感じた作品。導入部分の設定とテンポは独特の物で面白く、少女の正体がわかるまではとても良い掴みだった。
しかし、結末に向かってテンションが上がりきらないところで終わってしまった点が残念。
最後のオチと二人の感情などを掘り下げて見せて欲しかった。
漫画部門 審査員特別賞
『勇者の資格』
矢津田将人(23)
- 【あらすじ】
打倒魔王!を掲げる魔法使いの女の子。目下の悩みは伝説の剣が抜けないままの勇者との旅路…。
- 【寸評】
コマ割りも台詞回しも読み易く全体的な完成度は高い。
作画もレベルが高いが、描線のメリハリがない為、画面全体の軽さの原因となってしまっているので注意が必要だが、その部分を修正出来れば作画レベルはプロで通用する。
ストーリーのオリジナリティが薄いので、次回作はそこを期待したい。
漫画部門 学生賞
『つくとも』
葉川ヨモギ(19)
- 【あらすじ】
青美の幼馴染の文矢は、本人も気付いていないカリスマオーラを発するド天然の美少年。その文矢に悩みを打ち明けられるが…。
- 【賞金】
・賞金30万円
・副賞
・漫画執筆サポートプラン
- 【寸評】
画面構成・絵柄の粗さはあれど、著者の素直さがはっきりと見て取れる作品。
ただ、キャラクターの視点が途中で入れ替わってしまった点が物語として残念な点。
画力、構成力共に年齢から考えると様々な企画に挑戦して、さらなる成長を期待したい。